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大な公共投資をしてきたが、納税者たちはその恩恵を受けてこなかったことを政府は認識したのである。

 

したがって政府はこれまでばらばらであった法律体系を一本化すると決定した一カナダ海洋法は1997年春に成立することになっている。この法例下では政府は公共港湾を商業化し、直接的な事業運営から手を引く。システムのユーザーには運営方法に関する発言権がこれまでよりも与えられるようになる。

 

港湾を3つに区分した国家の港湾システムが制定されることになる。第一区分は国内および海外貿易の要となる港湾で、財政上も黒字である8ヵ所から10ヵ所の港湾は、ユーザーグループと政府の様々な機関によって任命された代表者からなるカナダ港湾当局により管理運営される。港湾当局は港湾に商業的な気風を徐々に浸透させ、経済全体における競争性を維持するために必要となる効率性を得る道を開拓すべく機能するものである。今後連邦政府はこれらの港湾に投資しない。

 

第2区分一地方の港湾一は、6年間の移行期問をもって州、地方自治体、地方共同体、および/または民間事業に移される。これらの港湾はその後、地方の二一ズに応える形で地方利益団体によって管理され、これによるコスト削減とサービスの向上が見込まれる。

 

第3区分―55の遠隔地港湾―のメンテナンスはカナダ政府によって行われる。その共同体が遠隔地にあることと、海上交通と政府設置岸壁に依存していることで、遠隔港湾と見なされる。

 

地方あるいは遠隔地の港湾の60カ所ほどが別途の漁港システムを持っ漁業海洋部の管轄に移行される。

 

1995年におけるカナダの港湾の貨物取扱量は約3億6,000万トン、出入りする船舶数は105,000隻である。貨物の28%は国内用、24%は米国との貿易用、48%がそれ以外の国との貿易用、入出港する船舶数の53%は国内用で、38%は米国との貿易用、わずか9%がそれ以外の国との貿易用である。

 

8つの主要なカナダ港湾管理者(CPA)の貨物の取扱量は43%であったが、船舶数はわずか24%であった。

 

カナダ最大の港、西海岸のバンクーバーは近隣にフレーザーリバーCPAが位置し、貨物取

 

 

 

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